徒然なるままに

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物理の記事ようやく書けた!?

こんちは。 メンボーです。

漸く物理の記事を書きだすことができました。 理想は学部で習った基礎理論(力学・電磁気学・熱力学・量子力学統計力学)を体系的にまとめ上げて、その都度その都度演習問題を解いていくという形式にすることでした。しかし、そんなことを最初からやろうとしていたら結局何も書けないまま時間が過ぎていってしまうので、とりあえずはいつかやらなければいけない院試を解き進めてここに解説していくという形で物理の記事を書いていけたらいいなと思っています。

では早速やっていきましゅ。 今回は平成30年度筑波大学の大学院入試問題となります。 問題はこちら↓のページの「過去の入試問題」→「平成30年度」と進んでいただくとあると思います。 http://www.px.tsukuba.ac.jp/~senkou/admission.php いや僕が直接問題のpdfのリンクを張ってしまった方が早いですね。こちら↓です。 http://www.px.tsukuba.ac.jp/~senkou/documents/exam/5a053de80a250.pdf

やっぱり最初は古典力学から始めようと思います。[A]問題の部分は少し解説しがいがないので[B]問題から始めていきます。

状況はこう↓

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オエカキタノチ

全体としては摩擦のある直方体の上に円柱置いて、その直方体を引っ張ったら円柱コロコロ転がりながらどんな運動するんやろ?って問題ですね。

問1は「円柱の中心軸周りの慣性モーメントIを求めよ。」、つまり立方体の回りにくさを求めろと言っているわけです。

よくある慣性モーメントIの定義式

I = \int \rho r^ 2 dV

を用いて計算します。今回密度は \displaystyle \rho = \frac{M}{\pi R^ 2 L},微小体積要素は dV = 2 \pi r dr Lとするのがよいでしょう。 結局

  
\begin{align}
  I &= \int_0^ R \frac{M}{\pi R^ 2 L} r^ 2 2 \pi r dr L \\ 
    &= \frac{2M}{R^ 2} \int_0^ R dr \\
    &= \frac{2M}{R^ 2} \frac{1}{4} R^ 4 \\
    &= \frac{MR^ 2}{2}
\end{align}

となって答えです。

はい次問2は「円柱の重心のx方向の運動方程式を書け。」ですね。 ニュートン運動方程式より

 \displaystyle M \frac{dv}{dt} = F

です。

はい次問3。「回転の運動方程式を書け。」 おなじみの回転の運動方程式

 \displaystyle I \frac{d \omega}{dt} = N = \boldsymbol{R} \times \boldsymbol{F}

に代入して得られる I \frac{d \omega}{dt} = RFが解です。

はい次問4。「円柱の重心の加速度と角速度、そして板の加速度の間に成立する関係は?」と問うています。 ここで大事なのは円柱がスベっていないこと。このことから

 \displaystyle R \frac{d \omega}{dt} = a - \frac{dV}{dt}

が成り立つでしょう。これが解です。

あい、終盤に差し掛かってまいりました。問5。「円柱の角速度を求めよ。」 ここまでで出てきた式を整理すると、
・円柱の並進運動の式  \displaystyle M \frac{dV}{dt} = F \tag{1}
・円柱の回転運動の式  \displaystyle I \frac{d \omega}{dt} = RF \tag{2}
・円柱が滑らないための式  \displaystyle R \frac{d \omega}{dt} = a - \frac{dV}{dt} \tag{3}
ですね。この3式で \displaystyle \frac{d \omega}{dt}を残すように一つの式にまとめて、問1で求めた \displaystyle I = \frac{MR^ 2}{2}を代入すると、  \displaystyle \frac{d \omega}{d t} = \frac{2a}{3R} となるがこれが解であろう。

よいしょ。最後の問題です。問6。「静止摩擦係数μ、重力加速度gとして円柱が滑らずに回転するためのaの条件は?」 摩擦力Fが最大静止摩擦力 F \leq \mu mgを越えなければいいのだから条件式は

 F \leq \mu mg

でFは式(2)に前問の解をぶち込んで求められる。すると結局、 a \leq 3 \mu g はいおしまい。。

ではさようなら。